相続人になり得る人が相続人としての地位を失い相続することができなくなります。 主に「相続欠格」と「相続廃除」の2つの場合があります。
相続欠格
相続欠格は遺言よりも強い効力がありますので遺贈(遺言で贈与を受けること)を受ける権利もなくなります。

相続欠格となる事由

- 故意に、被相続人または先順位もしくは同順位にある相続人を死亡させたり、死亡させようとしたために、刑に処せられた者
- 被相続人が殺害されたことを知りながら、告訴・告発しなっかた者
- 詐欺または脅迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、これを取り消し、またはこれを変更することを妨げた者
- 詐欺または脅迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、これを取り消させ、またはこれを変更させた者
- 相続に関する被相続人の遺言書を偽造・変造・破棄または隠匿した者
遺産分割協議の無効

相続欠格事由は相続開始前に生じる場合と相続開始後に生じる場合があります。 相続開始後に相続欠格事由が生じた場合は、相続欠格者は、相続開始時に相続人でなかったこと になりますので、その者を加えてなした遺産分割協議も遡って無効になります。 その結果、相続欠格者を除いて、かつ相続欠格者の代襲相続人を加えて、再度遺産分割協議をやり直す ことになります。
相続廃除
相続排除の事由と手続き

『推定相続人廃除申し立て』を被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所に行い、調停または審判によって審理が行われます。 廃除の調停が成立した場合、又は審判が確定すると調停調書謄本又は審判書謄本及び確定証明書を調停成立または審判確定の日から10日以内に『推定相続人廃除届』を市区町村に届けでることが必要です。 なお相続廃除の審判が確定した場合であっても、被相続人の気が変われば、廃除の取消請求を家庭裁判所に請求することができます。
相続廃除の事由 | 1.被相続人に対する虐待 2.被相続人に対する重大な侮辱 3.その他の著しい非行 |
相続廃除の手続き | 1.被相続人が生前に家庭裁判所に申し立てる方法 2.遺言による方法 ※遺言による方法の場合は、遺言執行者が遅滞なく家庭裁判所に排除の請求をしなければなりません。 遺言執行者を定めていないとき、または遺言執行者が亡くなったときは利害関係人の請求によって家庭裁判所がこれを選任します。(民法1010条) |
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